第352章

望月琛が今日の地位にあるのは、すべて「親ガチャ」に成功したからに過ぎない。

もし自分も望月家に生まれる幸運に恵まれ、幼い頃から最高水準の教育を受け、継ぐべき会社が用意されていたならば、自分の功績だって望月琛に引けを取らなかったはずだ。

だが無情なことに、彼にはそんな運命など用意されていなかった。

ごく平凡な家庭に生まれ育ち、両親が必死の思いで捻出してくれた資金で海外留学を果たし、卒業後に渡された虎の子の貯金を元手に小さな会社を立ち上げるのがやっとだった。

ここ二年の不況に加え、業界の構造改革にも直面している今、さらなる融資が必要だったが、実家にはもう頼れる金など残っていない。彼は別の...

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